12/4リサイタルへの道③〜箱入りしてからの、ものづくり〜

12/4リサイタルへの道

12月1日に箱入りしてから、加藤訓子さんが私たちと一緒になってクリエイションしてくださり、それを間近で見て感じられたことも、ものすごく大きな経験でした。

コンサートをするうえで、こんなに長い期間、会場に滞在させていただき、じっくりつくるという機会は滅多にありません。
とても貴重な経験をさせていただき、感謝しています。

音づくりも、照明も、立ち振る舞いも、全ての要素について最善を尽くし、少しでもより良い舞台をつくることへの訓子さんの情熱を肌で感じました。
私たち若僧に対しても、それぞれの考えを尊重し、ひとりのアーティストとして丁寧に接してくださいます。
そして、訓子さんご本人が誰よりも色々なことに気づいてくださり、バミリ(楽器を置く位置がわかるようにするための印をつけること)をしてくださったり、洗面所のゴミ袋を変えてくださったり….。
本当に、頭が下がります。

12/4リサイタルへの道

また、inc.(訓子さん主催の若手音楽家育成プロジェクト)のイベントでは、出演者同士や、出演していなくてもメンバーの公演を互いにサポートし合い、裏方も経験します。

私は今回、12/6出演の中野志保さん、眞鍋華子さんの演奏でプロジェクター操作をしました。それぞれに楽譜と写真を壁に投影しました。実際にやってみると、それらをひとつ出すのも、音を出すこととまるで同じで、とても神経を使います。図や写真のサイズ、その背景色は何が適切か、投影する壁(映像のサイズ)に対してカーテンはどのくらい閉めるか、出すタイミングなどなど…。

12/4リサイタルへの道

その人の演奏がより素敵に見えるように、そして奏者の「弾くぞ」という気持ちに寄り添ってポンと出す、みたいなことが、そう簡単なことではないなと感じて、何事も奥深いものだなあと思いました。
各所でそういった細かいこと、ひとつひとつの丁寧さ、誠実さ、向上心が重なっていってこそ、ひとつの素晴らしい舞台が出来るのだと改めて実感しました。
そしてそのことの素敵さ、面白さに感動します。

ものづくりの楽しさを再認識して、やはり自分はこういうことをしていきたい!と強く思いました。

つづく

12/4リサイタルへの道